今回は、永大産業の「ゲートスタイルキッチン S-1」の施工を行いました。
オールステンレスで構成された一般的なシステムキッチンとはかなり雰囲気の違うキッチンです。
私自身、このキッチンを施工するのは今回が初めて。
事前情報もほとんどない状態からの施工だったため実際に現場で組み立てて分かったことや、施工時に気をつけたいポイントを記録しておきます。
箱ではなくステンレスフレームでつくるキッチン

一般的なシステムキッチンは、キャビネットを並べその上に天板を載せていくような構成が多いですが今回のキッチンは少し違います。
ステンレスのフレームを組み上げていく非常にオープンな構造です。
実際に施工してみると「造り付けの箱型キッチン」というよりも家具のように空間へ置くキッチンという印象を受けました。
フレームが見えるため、一般的なキッチンとは違った軽快さがあります。
まずはステンレスのキッチンパネル施工から
キッチンを組み立てる前に壁面へステンレスパネルを施工しました。
今回はヘアラインの方向を横方向にそろえる仕様。
パネルを現場寸法に合わせてカットしパネル同士のジョイント部分は約3mm空けて施工。最後に目地へコーキングを施工します。これが標準施工書に記載されていました。

ステンレスパネルの割り付け図があると助かります。

限られた支給材料の中で納める必要があったためキッチン本体で完全に隠れる部分についてはパネルを施工せず、見える部分を優先して割り付けました。
ただ、完成して改めて感じたのはこのタイプのキッチンなら背面パネルは全面張りにした方が納まりがきれいだということ。
ゲートスタイルは一般的な箱型キッチンと違いフレームの間から背面が見えます。
施工前にパネルの範囲まで含めて計画しておくことが重要だと感じました。
ステンレスパネルの現場加工
今回はステンレスパネルを現場でカットしました。
使用したのは集塵丸ノコとステンレス用の刃です。
無機質系のキッチンパネルと違ってステンレスの加工では鉄粉が発生します。
周囲の仕上げ材や設備に鉄粉が付着しないよう加工場所の確保と養生はしっかり行った方がよさそうです。

また今回はヘアラインを横方向にそろえる必要があり通常のキッチンパネル施工と比較して、加工・割り付けに時間がかかりました。
組み立てはインパクトより電動ドライバー

キッチン本体はステンレスのフレームを順番に組み立てていきます。
ここで気をつけたいのが工具です。
普段の造作工事ではインパクトドライバーを使うことが多いのですが、このキッチンの組み立てには少し強すぎます。
ネジや部材を傷めないよう基本的には手回しドライバー、またはトルクを調整できる電動ドライバーを使用するのが施工しやすいと感じました。
インパクトドライバーも用意しておきますが用途によって使い分けた方が安心です。
実際に施工して感じたこと

完成するとステンレスのフレームと天板が非常に印象的です。
収納を箱で囲わないため圧迫感が少なく、業務用厨房のような雰囲気もあります。

一方で、オープンな構造だからこそ一般的なシステムキッチンでは隠れてしまう部分まで目に入ります。
背面パネルの範囲や配線・配管、細かな納まりまで、「見えること」を前提に施工計画を考える必要があるキッチンだと感じました。
初めての施工でしたが家具製作にも通じる部分が多く面白いキッチンでした。
今回の施工で使用した主な工具
ステンレスパネル施工では、集塵丸ノコ、ステンレス用チップソー、定規、下敷き、キリ・穴あけドリル、コーキング用品、養生・清掃道具などを使用しました。
レンジフード施工ではダクトテープなど。
キッチン本体の組み立てには、手回しドライバー、電動ドライバー、インパクトドライバー、延長ビット、キリ、手袋などを使用しました。
特殊なキッチンなので、特にステンレスを現場加工できる準備をしておくことが重要だと思います。


